【ご挨拶】代表幹事就任にあたり


2025年5月19日の年次事業報告会にて、代表幹事が交代しましたので、ご挨拶申し上げます。

【白倉正子氏より】
 この度、メンテナンス研究会の第3代代表幹事に就任いたしました、白倉正子と申します。未熟者ではありますが、どうぞよろしくお願いします。今日はせっかくの機会ですので、この場をお借りして、これまでの経緯や今後への思いを、お伝えさせていただきます。

 まず私がトイレに興味を持ったのは、30年以上前の大学時代の卒論を執筆した時です。しかし「トイレの研究家として『本気』で生きていこう!」と決めたのは、メンテ研がきっかけでした。
 当時の私は卒論を書くために、トイレの情報を集めていたのですが、同時に、自分の人生についても模索していました。なぜなら、普通に就職をすることに、疑問を感じていたからです。
 そんな矢先、初代代表である坂本菜子先生の本の中に、メンテ研の会員だったある清掃員のエピソードが書いてありました。
 それは「学校のトイレを掃除していた時、子供を連れた教師が子供達に向かってこちらを指指し、「ごらんなさい。勉強しないと、あの人たちのようになりますよ」と言い、子供達が見下すような視線で横を通り過ぎていた‥‥という話でした。
  私はとても憤慨し、「トイレ掃除をしている人に『ありがとう』と言ってもらえる社会を作らなければならない」と強く思いました。それから就職をせずに大学卒業直後にすぐ独立し、「トイレから地球革命!」を理念に掲げ、「トイレ掃除をカッコいい仕事にして見せる!」をスローガンにし、30年近くトイレの勉強をしてきました。
 そして「まずは、ちゃんとトイレ掃除を学ばなければならない」と思い、メンテ研に飛び込みました。
 しかし現場を知らない私は、最初のうちはみなさんが何を言い合っているのか、さっぱり分かりませんでした。しかし清掃現場に入れてもらったり、しつこく質問しているうちに、理解が深まり、ついには自分が人に教える立場になりました。ここまで来られたのは、メンテ研の仲間のおかげだと、感謝しきれません。
 最近では、海外からも「日本の技術を学びたい」とのリクエストが増えております。
 つまり「世の中がきちんとした知識を求め始めた」と言えるでしょう。そのくらいこの研究会は、世界を先駆けて研究してきたいと言えるのです。そういう意味では、先見性がある誇り高き団体ですので、そのプライドを大切にしたいと思います。

 これらを通じて、社会に理解の和を広げることをできることは、嬉しい反面、責任重大で、不安もあります。
 実際に数年前より何度も代表になるよう、打診されてきましたが「3人の我が子が育つまでは…」と固辞しておりました。しかし子供達も全員17歳以上になりましたので、前代表幹事の中森秀二さんを代表とする諸先輩に、恩返しをするべき時がいよいよ来たと、真摯に受け止めております。
 現場経験のない私ですが、だからこそ広い視点を持ち、世に広められるのではないかと、弱みを強みに変えていければ幸いです。幹事さんや事務企画グループサポーターの方にお力を貸していただき、頑張ってまいります。
 みなさんで世の中を変えていきましょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 (2025年5月19日の年次事業報告会での挨拶に、加筆変更をしました)

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