公共トイレの実例

サインは世界の共通語


サインデザイン U.G. サトー
トイレがさまざまな機能を持つようになり、使い勝手を伝えるサインも多様化してきました。使いやすいトイレにするためには、誰にでもわかる親しみやすいサインが重要です。
和式トイレのサインデザイン。
洋式トイレのサイン。一目でわかるカラフルなデザイン。
トイレ内は禁煙を示すサイン。
道の駅安達のトイレは、メンテナンス性を考慮したデザイン。建物だけでなくサインなどの細部にまでこだわったデザイン。第12回「グッドトイレ10賞」を受賞した。
ドライブの疲れをいやすひとときの喫煙コーナーのサイン。
かわいらしさを表現した子供トイレのサイン。
ゆったりトイレのサイン。車椅子の方、お年寄り、妊婦さん、着替えのできることが一目でわかる新しいデザイン。

静的、無機質的なサインから親しみと動きのあるサインに展開

以前は、男女のサインだけがトイレのサインのように思われてきましたが、今では「ゆったりトイレ」「子供トイレ」「和式トイレ」「洋式トイレ」など、その用途に応じて表現されたサインが使われるようになりました。サインデザインといえば、これまでは、まっすぐな線定規で引いたような、無機的で冷たい硬い線で表現されたデザインが多いように思います。今回、安達のトイレでは、親しみやすいトイレにするため、柔らかい線で表現したデザインのサインにしてみました。 その考え方のポイントをあげますと、
1.具体的に人間の表情や動きを表現したサインにする。
2.今までよりサインの意味を親しく理解してもらえるデザインにする。
3.あまり饒舌にならないように、サインの意図することをシンプルに表現する。
4.色については多色を使い、楽しいデザインにする。
以上の考え方から、これまでの無機質な常識的なトイレのサインのパターンを破ることができ、誰にでも親しみやすい表現になったと思います。
女性トイレ入口に掛かるサインは、地元出身の智恵子さんをイメージした。
男性トイレ入口。サインのモデルは高村光太郎氏。

「誰でも使えるゆったりトイレ」の広がりにサインも一役

これまでの車椅子専用のトイレづくりから、みんなで使える「ゆったりトイレ」にしていこうという動きがあります。子供も赤ちゃんも、おなかの大きな妊婦さんも、お年寄り、そして身体の不自由な人も、誰もが使えるゆったりとしたトイレをつくるというものです。 そのようなトイレができれば、当然サインも変わってきて良いわけです。障害者専用といわんばかりの「車椅子のサイン」では、使用するのを遠慮してしまうという声を聞きます。大きな荷物をたくさん抱えた時など、広いスペースのゆったりトイレに入りたいのだけれど、やはりサインを見てためらった人も多いはずです。誰もが使える「ゆったりトイレ」の使い方を広く人々に伝えるためにも、サインの役目は重要です。またサインは言葉や国境を越えて世界共通の言語でもあるのです。コンフォートステーション(快適なトイレ)づくりの一要素として、サインもコンフォートな雰囲気が大切だと思います。 今回、道の駅安達のトイレは計画当初より検討委員会を発足させ、全体計画、トイレの建築、使い勝手やメンテナンス性、インテリアデザイン、サインに至るまで具体的に計画されました。今後は安達町の管理、及びメンテナンスワーカー、ボランティアの手によって、快適なトイレに向けて育っていくことを期待します。
女性トイレ内部。洗面コーナーは冬になるとお湯が出るシステム。
パウダーコーナーのサイン。ユーモアとセンスあふれるデザイン。
メンテナンスゾーンのサインも動きのある新しい試み。
Photo by
Hiroyuki Shinohara
Taku Sudo
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